抄録
高速増殖炉サイクル実用化研究開発で設計を進めているナトリウム冷却大型炉(JSFR)では、破損燃料位置検出器(FFDL)として燃料集合体の出口近傍のナトリウムをサンプリングするセレクタバルブ方式FFDLがリファレンスとして開発が進められている。しかし、セレクタバルブ方式FFDLを採用すると、炉心上部機構に数百本のサンプリング管を設置することになり、その保守補修性に課題がある。そこで、燃料集合体毎に異なる同位体比の希ガス(タグガス)を燃料ピンのガスプレナムに予め封入し、燃料破損時は炉上部カバーガス中の希ガス同位体比を分析することで燃料集合体位置を同定するタグガス方式FFDLのJSFRへの適用性を検討した。燃料破損時のカバーガス中タグガス濃度、炉心燃焼に伴う希ガス同位体比変化を考慮し、検出性能を評価した。