抄録
JAEAと三菱重工業㈱とが連携し、概念の検討を進めている小型高温ガス炉の炉心特性については、日本で初めての高温ガス炉であり、JAEAの大洗研究開発センターに設置された高温工学試験研究炉(HTTR)の設計、建設、試験・運転で得られた知見を活かして炉心計算を進めた。得られた炉心特性に基づき、技術的成立性を判断するための代表的な事故事象について評価を行った。検討の結果、MHR-50isの炉心について、3年間の燃焼が可能であり、燃焼度は平均52GWd/t(最高93GWd/t)に達するとの結果を得た。また、代表的な事故事象として、1次冷却設備二重管破断事故(減圧事故)、1次冷却設備二重管内管破損事故(加圧事故)、スタンドパイプ破損事故(反応度投入事故)、蒸気発生器伝熱管破損事故(水侵入事故)の評価を行い、原子炉の安全性が確保されることを確認した。