抄録
火力発電所および原子力発電所における地震時のボイラー、原子炉炉心および配管等の安全性の評価は最重要点の一つである。これまでに構造的観点より多くの研究がなされている。しかしながら、数例の研究報告が行われているが、地震時での支配周波数である10Hzオーダーの脈動流下および加熱面の振動下の二相流動および伝熱特性は未だ不明確である。本研究は、地震発生時のボイラーおよび原子炉炉心の安全性を検討することを目的に、数Hzオーダーの流体の脈動流および振動条件下における熱水力学問題を、沸騰開始条件およびに限界熱流束に着目し、実験的に検討する。特に、振動台を用いた振動条件下の実験を行い、地震発生時に伴う加熱面の揺れが沸騰熱伝達、特に限界熱流束に及ぼす影響を検討する。また、振動下の伝熱面近傍の沸騰熱伝達に及ぼす気泡挙動の影響を検討する。最終的に、加熱面振動がCHFに与える影響についてモデル解析的に検討を加える。