抄録
高速増殖炉の炉心溶融事故では,炉心溶融事故後冷却性評価を行うため,冷却材中にジェット状に射出された溶融燃料の到達距離であるジェットブレイクアップ長さの予測が極めて重要となる.従来の研究では,ジェットブレイクアップ長さは周囲流体がジェットを微粒化することによって決定されるとするものがあり,ジェットブレイクアップ時の微粒化挙動を調べることが重要である.しかし,ジェットブレイクアップ時の微粒化挙動ついては未だに明らかとなっていない.本研究では,模擬冷却材に水,模擬溶融物に透明流体(FC-3283)を用い,等温条件下で溶融物射出実験を行った.実験では、高速度ビデオカメラを用いた可視化画像からPIVによる周囲速度場とジェット界面の同時計測を行い,微粒化時の周囲流体の流動を考察した.さらに,レーザー誘起蛍光法(LIF)を用いた可視化計計測により、微粒化により削り取られるジェットの芯の挙動を考察した.