抄録
敦賀発電所2号機では,線量低減の取り組みとして2005年より亜鉛注入を適用し,計3運転サイクルの注入で主要配管の線量当量率は最大55%低減した。一方,亜鉛注入による線源低減機構については,一次系配管表面での注入亜鉛と線源核種との置換やその後の線源の再付着抑制とされてるが,一次系配管表面,腐食生成物が放射化する燃料表面を含めた総合的な線源挙動について実機データによる体系的に考察した例は少ない。
そこで,更なる線源低減を目指した水化学最適化検討に資するため,亜鉛注入前後で採取した燃料付着物および一次系配管付着物についてその性状を調査した。この結果,亜鉛注入により燃料表面への金属および放射性核種の付着量が大きく減少した一方,一次系配管表面から溶解した酸化物が燃料に再付着している可能性が示唆された。
本報では,これら調査結果に基づきPWRでの亜鉛注入による線源低減機構を考察した結果について述べる。