抄録
処理後の廃ゼオライトでは吸着核種の崩壊熱により温度が上昇するため、ゼオライトと水との混合物からの水素発生について温度依存性を測定した。海水との混合物では顕著な水素発生量の変化は観測されなかった。純水との混合物では高温で増加する傾向が見られたが、海水との混合物を顕著に越える水素発生は観測されなかった。最終生成物としての水素発生量を考える上では、水の放射線分解による水素生成に加えて、液相でラジカルによって水素が酸化される反応が重要である。海水と純水との差は、主に水素の酸化であり、海水では酸化反応が阻害され、生成した水素が全量気相に到達すると考えられる。本結果は、放射線分解による水素生成の温度依存性は低いが、水素の酸化が温度上昇により阻害されることを示唆する。したがって、水素が全量気相に到達すると仮定しておけば、温度上昇による水素発生量の増加を想定する必要性は低いと考えられる。