抄録
福島第一原子力発電所の事故により、環境中に137Csが放出された。土壌は2, 3年で137Csに対する最大のシンクとなるため、土壌中で137Csがどのように存在するかを知ることが重要である。本研究では逐次抽出法により土壌中の異なる成分に収着した137Csと安定核種である133Csとの量を比較する。この二核種の存在比(同位体比)の比較から、異なる成分に渡る137Csの分布の経時変化を議論する。さらに、土壌鉱物の鉱物組成がサイズによって大きく変化することを利用して、抽出後の残渣のサイズ分画から、各サイズに含まれる鉱物相の同定と、サイズごとの137Csの分布を調べる。