抄録
タングステン材料は核融合炉におけるダイバータ、第一壁材料として期待されているが、特に中性子照射環境下における脆化が懸念される。タングステンの融点は高いものの、1000℃程度の再結晶温度以上では靱性は劣化してしまう。本研究では、タングステンに対してCやSiCのセラミックス長繊維での強化という、セラミックス複合材料の破壊力学を取り入れた全く新しい手法により、中性子照射環境下、また再結晶温度を超えるような温度域においても優れた破壊靭性を得られる材料の開発を目指す。セラミックス複合材料、タングステンの焼結プロセスをベースにセラミックス繊維を含むタングステンをホットプレスにより焼結を行うことにより革新的な素材を開発する。