抄録
福島第一原子力発電所事故の影響を受けた地域において、周辺線量当量率データおよび生活習慣データを測定・調査し、点推定による保守的な評価方法(決定論的評価手法)、ならびに個人線量を分布として評価する方法(確率論的評価手法)を開発し、その妥当性を検証した。屋外滞在時間8時間および建屋の被ばく低減係数0.4という仮定に基づく評価モデルは、周辺線量当量率データを適切な条件のもとで選定することにより、住民の個人線量当量を保守的に評価することが可能である。 また、周辺線量当量率データと生活習慣データの分布形を特定し、これらの複合分布として個人線量当量を評価したところ、個人線量当量の分布を再現することができた。