抄録
福島第1原子力発電所の事故によって、表土が放射性セシウムで汚染され、住民の内部被ばく線量の評価に関心が寄せられている。内部被ばくの測定には、体外計測法とバイオアッセイ法がある。体外計測法であるホールボディカウンタの測定は、多くの住民が希望するところであるけれども、測定できる機関が限られている。一方で、バイオアッセイ法は、被験者を拘束せず、一度に多数の検体を処理できる。本研究では、尿を測定対象としたバイオアッセイ法により、被験者の尿中の放射能を測定し、その測定結果と体外計測法であるホールボディカウンタの測定結果との相関等を解析し、バイオアッセイ法による内部被ばく線量測定の有効性を評価する。