抄録
現在検討されている新たな防災指針では、一定レベル以上の発電所事故の発生で近隣住民の即時避難を可能とするPAZ(Precautionary Action Zone)の導入が検討されている。PAZの範囲は発電所を中心とした概ね半径5[km]の範囲になると思われる。PAZ内に人口密集地が存在する地区では、対象住民が一斉に避難することにより、過度な交通集中が発生する懸念がある。この場合、PAZ内をさらに複数の区域に分け、それぞれの避難開始時間を調整する段階的避難が有効であると考えられる。また、PAZ内居住者が一斉に避難可能な場合であっても、事故の長期化などにより、避難指示の範囲を拡大することも想定され、この場合も、実質的には段階的避難と同等と考えることが出来る。一部区域で避難が開始されることで、他の地区で自主的な避難が発生することも考えられることから、本研究では、自主的な避難が段階的避難に与える影響を検討する。