抄録
高速炉燃料の高燃焼度化に伴い、被覆管‐燃料間ギャップ中に蓄積する腐食性FPが被覆管を劣化させ燃料の長寿命化を困難にしている。被覆管材のFP腐食はCsとTeが主な原因である事から、これまでに数多くのCs-Te腐食試験がなされてきた。これまでの研究では腐食性物質の無限供給下で腐食試験が行われてきたが、本研究では実際の被覆管‐燃料間ギャップ中に蓄積したFPによる腐食を模擬するため、約100μmの薄膜状FPと被覆管材を腐食させ、その腐食深さの温度依存性を調査した。腐食試験試料には高速炉燃料被覆管材であるPNC316鋼を用いた。また、試験温度範囲は550~650℃、Cs:Te比は1:1とし、試験雰囲気における酸素ポテンシャルはMo/MoO2バッファ材にて約-420kJ/molに調整した。また、透過型電子顕微鏡法にて腐食後試料表面に形成された腐食生成物質を同定し、Cs-Te腐食メカニズムを議論した。