抄録
JMTR再稼働における「産業利用の拡大」の一環として、診断用医薬品99mTcの原料である99Moを放射化法((n,γ)法)により製造するための技術開発を行っている。しかしながら、この方法は、現在、世界の主流である核分裂法((n,f)法)による99Mo製造に比べ、得られる99mTc溶液の放射能濃度が低いため、99Mo生成量を増加させることが課題である。そこで、98Moの密度を高め、99Mo生成量を増やすため、プラズマ焼結法による高密度MoO3ペレットの製造技術開発を行っている。また一方で、希少資源であるMoのリサイクル技術の確立についても試験を実施している。 本研究では、製法の異なる未使用MoO3粉末、リサイクルMoO3粉末及び98Mo濃縮MoO3粉末について、粉末の性状の違いによる高密度MoO3ペレットの製作性への影響を調べた。