抄録
JRR-3において実施しているシリコン照射(中性子核変換ドーピング)の照射効率を向上させるために、フィルター機能付新型シリコン照射ホルダーの開発を進めている。その設計案及び解析結果について報告を行う。フィルター機能付新型シリコン照射ホルダーでは、軸方向の中性子束分布の平坦化を図るために、アルミニウムにB4Cを混入させたフィルター材を使用することを考えている。ホウ素濃度や材質形状により中性子束分布を変化させることは可能であるが、技術的及びコストの観点から最適な手法で検討することとした。フィルター材の形状を調整することにより、シリコンインゴット軸方向の中性子束分布の平坦化が可能であることが分かった。なお、本開発は原子力機構と放射線利用振興協会との共同研究により進めているものである。