抄録
全交流電源喪失時及び最終ヒートシンク喪失時に電源を使用することなく使用済燃料の崩壊熱を大気に放熱し、使用済燃料プール(SFP:Spent Fuel Pool)の水温上昇に伴う水位低下を低減して燃料露出を防ぐ非常用冷却システムが必要とされている。そこで、ポンプ等の動力無しで熱輸送可能な方式として熱サイフォン式を選定し、SFPの温度保持性、耐漏洩性、運用性等の観点から、SFP内に設置した熱交換器(受熱器)と屋外に設置した熱交換器(放熱器)を減圧した配管で接続した減圧配管方式を採用することで、閉ループ内で冷媒としての水が相変化を伴いながら自然循環し、SFPを冷却するシステムを構築した。