抄録
外部電源無しで使用済燃料プールが冷却できるシステムの開発により、プール水温上昇に伴う水位低下を低減して燃料を露出させないことが求められている。減圧させた水を受熱器で沸騰させ、屋外の放熱器で凝縮させる熱サイフォン式自然循環冷却システムを検討し、実機模擬の縮尺ループ試験装置を製作して試験した。この結果、プールに2kWの熱量を与えると水温は上昇し始めるが、数秒オーダで冷却システムが自動起動して冷媒が循環を始め、水温上昇が抑制されてプール水温が一定温度以下に維持されることが確認できた。また、これらのシステム挙動は事前評価ともよく一致した。