抄録
MOX燃料の主要成分である二酸化プルトニウムの物性に関する知見を得ることは燃料開発において重要な役割を果たす。しかしながら、二酸化プルトニウムは取り扱いの制限などにより十分なデータを得られているとはいえない。このような場合、数値シミュレーションによって物性値を補間し、より精密なデータを得ることが必要となってくる。本発表では、経験的なパラメータを必要としない第一原理計算によって物性値を評価する。二酸化プルトニウムに関しては通常の局所密度近似では正しい電子状態を得られないことが知られている。そこで、今回はハイブリッド密度汎関数法と呼ばれる手法により二酸化プルトニウムの正しい電子状態を再現し、物性値を推算する。