抄録
FBR照射条件下のオーステナイト系ステンレス鋼を対象とし、分子シミュレーションによるボイド組織発達モデルの構築を行った。対象材料に関するほぼ全ての既往研究の実験結果から成るデータベースに基づき、ボイドスエリング値からボイド組織を定量化する手法を構築した。さらに、ボイドサイズ分布を入力値とする、モンテカルロ法を用いたボイド組織による照射劣化の時間進展モデル構築を行った。これにより、原子レベルの挙動を取り入れ、なおかつ従来手法よりも大きな空間・時間スケールにおけるボイド組織発達の予測が可能となった。