抄録
日本原子力研究開発機構(JAEA)では、炉内腐食環境評価モデルの検証・高度化を目的に材料試験炉(JMTR)を用いた水化学実験を計画している。水化学実験では、軽水炉に近い照射条件を模擬でき、かつパラメータを任意に変更できる必要がある。また、パラメータを変更した際には、それが実験として測定、評価できる必要がある。水化学実験を目的とした際のJMTRの照射能力を調べるため、JMTRの炉内における吸収線量率の分布をMCNPで予備的に評価した。また、評価した吸収線量率に基づき照射装置内における化学種濃度分布及びECPを解析により評価した。評価の結果、JMTRでは、BWRの炉内条件に近い照射条件を模擬することが可能であり、また供給水質条件などパラメータの変更に対して着目部位の水質やECPの変化を測定・評価することが可能であることが示された。