放射性廃棄物処分施設の安全性を検討するにあたり、バリア材への核種分配係数を評価し、分配係数に影響を与える因子を考慮することが重要である。放射性廃棄物に含まれるセルロースは、セメント系材料が地下水と接触しアルカリ雰囲気となった埋設環境下で分解し、イソサッカリン酸を生成することが知られている。このイソサッカリン酸はセメント系材料への核種分配係数を低下させることが懸念されるが、その影響度については明確になっていなかった。本研究ではセルロースの分解過程でのイソサッカリン酸の生成挙動を検討し、核種分配係数への影響を確認する試験を実施し、この影響度について整理した。本発表ではこれらの成果を報告する。