抄録
新型転換炉原型炉施設「ふげん」の廃止措置に伴う重水系機器・配管類からのトリチウム含有重水の回収・除去作業は、系統が複雑であるために通気乾燥や減圧乾燥する方法を採っている。トリチウム含有重水の回収・除去装置は、機器・配管類が狭隘な箇所に設置されている制約から、小型化が容易で且つ長期連続運転が可能な中空糸膜分離方式を採用した。隔離扉や狭小空間設置への制約から、回収装置は2台に分割した可搬型とし、制御盤もデスクトップ型とした。トリチウム漏えいのリスクを低減する観点から、高気密型ポンプを用いるとともに運転圧力(入気圧力)を下げる必要がある。必要な露点を得るため透過側(出口圧力)を減圧としたところ、入気圧力と出口圧力の差が150kPa程度であっても通常の入気圧力(>500kPa程度)運転と同等の性能を得た。