2024 年 49 巻 p. 5-13
本稿では、米国のポリアモリー実践者がいかに他者との関係を創り出しているのか、その過程において何が重視されており、どのようなジレンマが生じているのかを検討する。合意のあるノン・モノガミーの一形態であるポリアモリーでは、婚姻規範に囚われずに自らの生き方を選択することが重視されている。ポリアモリーに至った背景、日常や今後の展望についての語りからは、人びとが自立・自律した個人を理想とする一方で、コミットメントも重視していることが明らかになった。こうした特徴は、ポリアモリーのなかでもとりわけ「ソロ・ポリアモリー」に際立ってみられる。ソロ・ポリアモリストは多くの場合、パートナーと住居や経済を共有することを望まない。ソロ・ポリアモリストであるミアの事例からは、人びとが交渉を通して創造的にケア関係をデザインする姿と同時に、人生/日常のどの部分をパートナーと共有するのかを特定する作業の難しさが垣間見られた。