抄録
本稿の目的は、中年期未婚者のワークライフバランス(WLB)満足度の規定要因を明らかにすることである。2024年に実施したウェブモニター調査の分析から以下の点が明らかになった。第1に、未婚者は既婚者より労働時間が長く、生活より仕事に重点を置く一方で、収入は低く、WLB満足度も低い。第2に、未婚者に限定した分析では、とくに働き方の柔軟性、職場の公平性、職場の人間関係がWLB満足度に影響していた。第3に、職場の人間関係の効果には性差がみられ、男性では気軽に話せる関係、女性では困ったときに頼れる関係がWLB満足度を高めた。第4に、介護が必要な家族の存在は男女のいずれについてもWLB満足度を低下させた。以上から、未婚者のWLB満足度の向上には、非正規雇用や低収入、親との同居といった未婚者の状況をふまえたうえで、働き方の柔軟性と職場の公平性、サポーティブな人間関係を実現することが重要である。