抄録
西南日本内帯の舞鶴帯に分布する舞鶴居群に含まれる放散虫を検討し,Follicucullus monacanthusおよびFo. scholasticusの2群集を識別した.ここではこの2群集を特徴付けるFollicucullus ORMISTON and BABCOCKの2種を記載するとともに舞鶴帯でのこの放散虫化石発見の意義についてふれた.Follicuculluss scholasticus群集帯は,紡鍾虫にもとづく化石帯のうちLepidolina kumaensis帯の一部に対比される.また,舞鶴層群の年代は本報告地域の北に分布する下見谷層の年代よりも若いといえる.