北海道西部黒松内地域に分布する上部新生界黒松内層の模式地の微化石年代を高分解能で検討した.その結果,Neodenticula koizumii - N. kamtschatica 帯(3.7-2.7 Ma)および Neodenticula koizumii 帯(2.7-2.0 Ma)を示す珪藻化石群集を認めたことにより,この露頭に,最大見積もって 3.7 から 1.6 Ma の地質年代を与えることができた.すなわち,本層模式地には,新第三紀・第四紀境界の存在が強く示唆されることから,この時代の半球的環境変動への黒松内地域の応答の有無やその詳細を今後,検討することが可能となった.
宇治市宇治川の天ヶ瀬ダムの分水坑道を含む800t/min 放流試験の直後,下流の白虹橋付近に小型の前縁地傾斜デュープレックス構造で,斜め約65°で切られた露頭面が現れた.3Dスキャンモデルでの内部構造は,2つの袋状のホース・セットが横に並び,ランプ面上下での分枝・合流が見られる.ルーフ,フロアーの各衝上断層は西方端で合流する.水平に復元すると,先頭部は南西方向を向く前縁地傾斜デュープレックスで,さらに袋状の内部構造にデュープレックスを含む複合デュープレックスであることが明らかになった.蛇行しながら陸側へ付加していく様子も予察された.また,デュープレックス構造形成過程で生じた礫質砂岩の流動化現象は,FDD形成と先頭部における上盤との引きずり剪断応力による過剰間隙水圧の発生によって形成された.
This report describes analytical results of bulk rock chemistry and mineral chemistry for the Yasu hydrothermal syenite, which underwent dequrtzfication, K-feldspathization, albitization, Fe-enrichment with mineralization characterized by sphalerite. In the assemblage and chemistry of minerals, the Yasu syenite is basically similar to the Hira hydrothermal syenite, but rather different in bulk rock chemistry.