地球科学
Online ISSN : 2189-7212
Print ISSN : 0366-6611
最新号
選択された号の論文の7件中1~7を表示しています
原著論文
  • 鴨井 幸彦
    原稿種別: 原著論文
    2026 年80 巻2 号 p. 57-70
    発行日: 2026/04/23
    公開日: 2026/06/23
    ジャーナル フリー

    新潟砂丘列の区分と対比に関しては,研究者間で見解が分れている.その主な理由は,越後平野中央部における沈降運動のために砂丘が地下に埋没していることにある.

    本論文では,阿賀野川から角田山地周辺までの間の砂丘列の対比に関する研究者間の相違点を整理し,対比表を作成した上で,新しい対比案を示した.とくに,これまで2列とされることが多かった亀田砂丘(新砂丘Ⅰ)について,本論では3列とみなし,内陸側から,それぞれ新砂丘Ⅰ-2,Ⅰ-3,Ⅰ-4 に対比した.

    さらに,阿賀野川~角田山麓の間において,4,000本以上のボーリングデータを解析し,地下に分布する砂州・砂丘と推定される厚い砂層上面の等高線図を作成した.この等高線図に基づいて,地下に埋没した砂州・砂丘の位置を推定し,新潟砂丘列全体の分布状況を明らかにした.その結果,地表で確認されない新砂丘Ⅰ-1 が,亀田砂丘の南側に埋没していることがわかった.

  • 柴 正博, 横山 謙二, 髙原 寛和, 大石 徹
    原稿種別: 原著論文
    2026 年80 巻2 号 p. 71-93
    発行日: 2026/04/23
    公開日: 2026/06/23
    ジャーナル フリー

    掛川層群は,日本の太平洋岸における鮮新統-更新統の模式層の一つとされているが,沖合相の砂泥互層からなる " 堀之内層 " の層序が未区分で,掛川層群の基底と塊状泥層からなる " 満水層 " の層位が不明であるという問題があり,その基本となる岩相層序区分が定まっていない.本稿では,掛川層群の層序と構造,挟在する火山灰層からその累重関係を明らかにし,掛川層群を下位から,勝間層,萩間層,富田層,横地層,内田層,大日層,土方層に区分した." 堀之内層 " は,勝間層から内田層までの砂泥互層の各層準に相当し,掛川層群の基底年代は4.6Ma以降になる.掛川層群の萩間層,富田層,横地層,内田層,大日層,土方層と小笠層群の基底の年代値は,それぞれ4.1Ma,3.8Ma,2.97Ma,2.25Ma,2.0Ma,1.93Ma,1.78Maと推定できる.相良層群と掛川層群は北部地域では不整合の関係にあると考えられる." 満水層 " は,掛川層群に含まれる2つの泥部層からなり,その下部が掛川層群の富田層に,その上部が内田層に属する.掛川層群に従来認められていたひとつの堆積シーケンスは掛川層群上部(内田層から土方層)により構成されたものである.

  • 井上 卓彦, 井内 美郎, 里口 保文
    原稿種別: 原著論文
    2026 年80 巻2 号 p. 95-104
    発行日: 2026/04/23
    公開日: 2026/06/23
    ジャーナル フリー

    琵琶湖北湖において反射法地震探査および堆積物コア解析を行い,中期更新世後期以降の盆地構造発達史を検討した.高島沖ボーリングコアに認められる広域テフラ層との対比により,厚さ約2mm以上のテフラ層が反射法地震探査における主要な反射面に対応することが確認された.A-4測線およびその交差測線に沿った堆積速度解析の結果,約25万年前までは北部盆地全体が0.2~0.4mm/年の低速度でほぼ一様に沈降していたが,その後,沈降様式の異なる3つのサブ湖盆に分化したことが明らかになった.サブ湖盆では25~20万年前に沈降が相対的に加速し,その後は新たに形成された断層(F1~F3)に沿って変形が進行したと考えられる.これらの結果は,約25万年前以降に琵琶湖北湖においてブロック分化が段階的に進行したことを示し,六甲変動後期に対応する近畿三角地帯における後期第四紀の地殻変動を反映している可能性がある.

  • 小坂 共栄, 矢野 孝雄, 柿原 仁志
    原稿種別: 原著論文
    2026 年80 巻2 号 p. 105-120
    発行日: 2026/04/23
    公開日: 2026/06/23
    ジャーナル フリー

    北部フォッサマグナ,小諸陥没盆地から八ヶ岳火山南麓域にかけて掘削された31本の深層ボーリングデータを記載した.その結果,盆地を埋積する鮮新 - 更新統の小諸層群や八ヶ岳火山噴出物の下位には,広範囲に緑色変質火山岩や正常砕屑岩からなる前期末~中期初頭の中新統が分布することが明らかとなった.このことは,その時期には北部フォッサマグナ武石山塊から南部フォッサマグナ巨摩山地にかけては,一連のグリーンタフ変動初期の海盆(甲府海路)が存在していたことを示している.従って,その時期に巨摩山地が南方から移動し日本弧に付加したと考えることはできない.

  • 野嶋 義教, 野嶋 宏二
    原稿種別: 原著論文
    2026 年80 巻2 号 p. 121-136
    発行日: 2026/04/23
    公開日: 2026/06/23
    ジャーナル フリー

    静岡県浜松市浜名区引佐町谷下の中期更新世(チバニアン期)の下部谷下層(MIS 9,347-367 ka)から,コイ属,ディスティコドン属の化石とともに,膨大な量のフナ属の化石が産出した.フナ属化石では,咽頭歯と主鰓蓋骨が最も多く産出し,下鰓蓋骨と前鰓蓋骨も産出した.また,咽頭歯の歯胚も非常に多く産出した.本研究では,谷下層産フナ属化石の主鰓蓋骨,下鰓蓋骨,前鰓蓋骨,咽頭歯について形態を調査し,日本列島および東アジアに現生するフナ属との比較を行った.その結果,谷下層産フナ属化石は単一の種であることと,形態的に現生の種とは明確に異なり,絶滅種である可能性が高いことが確認された.その形態は相対的にキンブナ(Carassius buergeri subsp.2)との類似性が高く,ニゴロブナ(C. buergeri grandoculis),ゲンゴロウブナ(C. cuvieri)との類似性が低かった.

地球科学入門講座
お詫びと訂正(地球科学80 巻1 号)
feedback
Top