1997 年 51 巻 5 号 p. 361-370
埼玉県入間市野田の入間川河床において,仏子層のA部層より多くのネクイハムシ亜科の化石が得られた.これらの化石を検討した結果,ほとんどの化石はミズクサハムシ属の1種に同定された.この種は,前胸背板の表面を網目状の微細彫刻が覆い,不明瞭な中央縦溝を持つなどの特徴により,ミズクサハムシ属の現生種とは区別され,絶滅した未記載種である.本論では,仏子層A部層産のミズクサハムシ属の1種を新種Plateumaris dorsata, sp. nov.ブシミズクサハムシ(新称)として記載し,本種のミズクサハムシ属における分類学的な位置づけについて考察した.