地球科学
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山形県の上部中新統〜下部鮮新統産のキタクシノハクモヒトデ(Ophiura sarsii sarsii Lutken)
石田 吉明長澤 一雄東海林 秀矩
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1999 年 53 巻 3 号 p. 223-232

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抄録

山形県の本郷層(上部中新統)および古口層・野口層(上部中新統〜下部鮮新統)から密集したクモヒトデ化石が発見された.これらはすべて現生のキタクシノハクモヒトデ(Ophiura sarsii sarsii Lutken)と同定された.本種の化石は,これまでに北海道北部〜本州中部の中部中新統上部〜中部更新統より産出しているが,ここで報告する化石はこの時空分布内に入る.共産化石から推測される生息環境は,寒流域の下部浅海帯〜漸深海帯である.中でも本郷層産化石は現生個体群と同様の生息密度を示しており,本種の生態をよく保存していると考えられる.

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© 1999 地学団体研究会
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