地球科学
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応用地質団研とその国際化 ―アジア地下水ヒ素汚染研究までの歩み―(<特集>アジア地下水ヒ素汚染の機構解明-とくにバングラデシュ調査について-)
柴崎 達雄
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ジャーナル オープンアクセス

2000 年 54 巻 2 号 p. 73-80

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抄録

団体研究(団研)法は,地学団体研究会("地団研"と呼び親しまれている)の基本的な方法論である.地団研は科学運動をすすめるにあたって,この団研法を重要視してきた.団研法は,共同研究のなかでは,もっとも高度の段階にあるものとされている.それは,団研参加者の能力を自由にのばし,研究成果を普及し,より高度な創造性を発揮することにある.地団研創設以来,研究機関に所属する研究者層や学校の教師層によって,数多くの団研グループが組織され,成果を公表してきている.地団研の会員構成の大半を占める,応用地質分野ではたらく科学技術者の会員たちも,恵まれない研究条件下にありながら,職域団研を組織し,国際共同研究に適用する努力をはらってきた.この小論はその活動の経緯をまとめてみたものである.現在進行中の,アジアにおける地下水ヒ素汚染研究も,国際化された応用地質団研の一つの事例として期待できる.

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© 2000 地学団体研究会
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