地球科学
Online ISSN : 2189-7212
Print ISSN : 0366-6611
内蒙古剪断帯 : 予察的報告(<特集>日本海拡大前の東アジアの地体構造)
大藤 茂野坂 俊夫佐々木 みぎわHasbaator安部 美佐江川 浩輔Yang Fa
著者情報
ジャーナル オープンアクセス

2001 年 55 巻 2 号 p. 103-112

詳細
抄録

内蒙古剪断帯とは,中央アジアーモンゴル複合帯の北中国地塊寄りにあたる,中国内蒙古自治区中〜東部に発達する,東西〜東北東性の剪断帯群である.内蒙古剪断帯は,南から順に,Bayan Obo-Xar Moron河剪断帯,Ondor Sum-Xilingol剪断帯およびErenhot-賀根山剪断帯に細分され,それぞれの剪断帯はこれまで識別されている地帯境界に位置する.内蒙古剪断帯は左横すべり変位成分をもち,後期古生代の"ヴァリスカン期"花崗岩類にまで変形を及ぼすが,上部ジュラ系や白亜紀"燕山期"花崗岩類には明瞭な変形を与えていない."ヴァリスカン期"花崗岩類が中央アジアーモンゴル複合帯と北中国地塊にまたがって分布することを考慮すると,内蒙古剪断帯は複合帯と北中国地塊との癒合後に,複合帯内部の地帯を再配列した剪断帯と位置づけられる.

著者関連情報
© 2001 地学団体研究会
前の記事 次の記事
feedback
Top