日本内地に於いて棉作が比較的多く行はれてゐる地方に就いて棉栽培期間に於ける各地測候所の觀測に基く月平均氣温, 月日照總時數, 月降水總量, 月降水日數の夫々と各縣の棉反當收量との相關係數を明治35年より昭和12年に至る36年間の資料から算出した。
資料並びに調査方法に不充分な點もあるが本調査結果より一般に收量と月平均氣温及び月日照時數との相關關係は正, 降水量及び降水日數とは負の相關關係にあり, 生育初期並びに成熟期から收穫期にかけて氣温高く, 7月以後收穫期に至るまで寡雨多照な氣象状態の場合に收量が多いと云ふことが出來る。