農業気象
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環境温度が野蚕の生育に及ぼす影響に関する研究
第7報 柞蚕の化性と気象要素との関係
西村 国男
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1960 年 16 巻 3 号 p. 94-98

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抄録

柞蚕を累年飼育して, 2化性蛹を多数えた1948年, 1956年と1化性蛹を多数えた1949年との気象要素および繭質を比較検討してつぎの結論をえた。
(1) 気温: 1化性蛹に変化した年は2化性蛹に変化した年に比べて卵期および幼虫第1令期は高温であり, 幼虫第2令~第5令期は低温, 蛹期は高温であつた。
(2) 湿度: 1化性蛹に変化した年は2化性蛹に変化した年に比べて卵期および幼虫第1令期は寡湿であり, 幼虫第2令~第5令期は多湿, 蛹期は寡湿であつた。
(3) 日照時数: 1化性蛹に変化した年は2化性蛹に変化した年に比べて卵期・蛹期は多く, 幼虫期は少なかつた。
(4) 降水量: 1化性蛹に変化した年は2化性蛹に変化した年に比べて卵期幼虫期とも多雨であつた。
(5) 繭質: 1化性繭は2化性繭に比べて繭重・繭層重が重く, 繭層歩合が高い。

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