農業気象
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水稲の早期多収栽培の地域性確立に関する生態的研究
第1報 青森県における気象の地域性と水稲生育との関係
阿部 亥三小野 清治鳥山 国士和田 純二
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1960 年 16 巻 3 号 p. 99-105

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抄録

水稲の早期多収栽培の地域性を確立するために, 耕種条件を同一にした水稲ポットを上北郡ならびに上磯地帯を主対象として, 青森県下の23地点の水田に配置して気象の地域性と水稲生育との関連性について解明を行なつた。その結果, 次のことが判明した。
1) 気象の地域的差異と水稲生育の地域性とは密接な関係があり, 気象の地域間差異の少ない昭和33年はやや冷涼気象を示した32年に比較して水稲生育の地域的差異も少ないことが認められた。
また, 水稲の生育収量も大綱においては気象条件の良否と一致した。
2) 水稲の生育型は海岸, 内陸, 高冷地の3つの型に大別された。
3) 33年は6, 7月に例年のごとくに山背風が卓越せず高温を示したが, 海岸地帯の生育は内陸部に比べて劣つた。また, 高冷地帯は登熟障害によつて減収したが, 各地点とも総じて32年より生育が良好であつた。

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