農業気象
Online ISSN : 1881-0136
Print ISSN : 0021-8588
ISSN-L : 0021-8588
防風林の風下風速分布に及ぼす防風林の幅の影響に関する風洞実験
高橋 英紀
著者情報
ジャーナル フリー

1978 年 33 巻 4 号 p. 183-187

詳細
抄録

防風林の幅が防風林風下の風速分布にどのような影響を及ぼしているか風洞実験により解析を試みた。従来, 防風林の幅と通風率とは切りはなせないままに防風林の最適幅などが決められてきたが, この報告では防風林の幅の影響を通風性の影響から切りはなして検討した。
得られた結果を要約すると下記のごとくとなる。
(1) 防風林にかかる風圧は通風率0% (Type-A) の場合, 幅の狭いものほど大となった。しかし通風性のある防風林 (Type-B) では幅の相違による差は小さかった (Fig. 5)。
(2) 防風林の風下の風速分布の型は通風性が悪い密な防風林では幅が狭い場合; 風下3H付近で風速の大きな領域が発生するが, 幅が広くなるとこの強風域は見られなかった。これは Standing eddy の大きさが防風林の幅により異なるためと考えられる (Fig. 6, Fig. 7)。
(3) 通風性のある防風林の例では, 幅が広いほど最低風速となる位置が防風林に近づくことが明らかとなった (Fig. 6)。

著者関連情報
© 日本農業気象学会
前の記事 次の記事
feedback
Top