抄録
近年,作業療法において目標設定が重要視されている.一方で医療者と患者の認識にはずれが生じやすく,意思決定を共有しながら治療を進めていくには課題がある.本報告では脳卒中後にADL 訓練に消極的であった事例に対し,時期ごとの心理・身体機能に合わせた目標設定を行いながら介入した.2 週間おきに評価,難易度調節をしながら目標を更新し介入した結果,麻痺手の使用頻度や発言に変化がみられ,Fugl-Meyer Assessment,Motor Activity Log のスコアは臨床的に意義のある最小変化量を超えて向上した.目標設定と自己評価を通して段階的に介入していくことで行動変容につながったと考えられた.