日本エイズ学会誌
Online ISSN : 1884-2763
Print ISSN : 1344-9478
ISSN-L : 1344-9478
d4T, 3TC内服中にbuffalo humpを認めたHIV感染血友病の一例
高嶋 能文梅田 雄嗣岡田 周一天野 功二堀越 泰雄三間屋 純一
著者情報
キーワード: HIV感染症
ジャーナル フリー

2000 年 2 巻 3 号 p. 184-190

詳細
抄録
緒言: プロテアーゼ阻害薬投与歴のないHIV感染血友病患者にbuffalo humpを認めた.
症例呈示: 症例は40歳代の血友病男性. ZDV, ddCを経て1995年よりd4Tを開始. 1997年7月にd4T, 3TC併用に変更. CD4陽性細胞数は約200~300/μlに保たれ, HIV-RNA量は50copies/ml未満とコントロール良好であった. 1999年2月より頚部から上背部に発赤・圧痛を伴わないほぼ左右対称性の腫脹が出現した. 6月には腫脹は著明となり, 全身倦怠感も増強した. r-hGHを投与したところbuffalo humpの著明な改善が認められた. 四肢の浮腫と疼痛が出現しr-hGHを中止したところbuffalo humpは約2か月で再燃した.
結論: 本症例のbuffalo humpにはd4T, 3TC長期投与の影響が考えられた. また, r-hGHはHIVに伴う体重減少のみならずbuffalo humpに対しても有効と思われた.
著者関連情報
© 日本エイズ学会
前の記事 次の記事
feedback
Top