日本エイズ学会誌
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大学生保護者のHIV/STDに関する意識調査
武富 弥栄子尾崎 岩太山田 茂人濱野 香苗井上 悦子佐野 雅之只野 寿太郎
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2003 年 5 巻 2 号 p. 76-81

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抄録
目的: 日本社会の若者の性行動低年齢化が進行している中, 性教育は健康教育において重要性を増している. 保護者が性教育に果たす役割は明らかでなく保護者自身の性の知識や意識や子供への対応を明らかにする目的で調査を行った.
対象と方法: 大学新入学生およびその保護者にアンケート調査を実施し, 家庭における性教育の実態調査を試みた.
結果: 保護者が行った性教育の内容としては第2次性徴に関する体の変化 (月経, 射精) が主であり, 性交・避妊・STD等の教育は家庭では行われていないという結果であった. 学生が性教育として受けたと認識しているのは, 学校保健分野での教育が主であった. また, 同時に保護者が学校保健分野の性教育への期待が大きいことも示唆される結果となった.
考察: 効果的なHIV/STD教育を行うために, これまでの第2次性徴の性教育に変えて, 思春期から段階的な性: セクシャリティーおよびリプロダクティブ・ヘルス教育を, 家庭・学校・地域が協力して行うことを提案したい.
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