日本エイズ学会誌
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HIVによるMHCクラスIIの発現抑制の分子機構とAIDS発症機構
金澤 智岡本 完岡本 尚
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キーワード: 転写伸長, 抗原提示
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2003 年 5 巻 2 号 p. 82-85

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抄録
HIVの複製は, 自身がコードする転写活性因子Tatの働きにより劇的に促進される. これは, Tatが細胞側の転写伸長因子positive elongation factor b (P-TEFb) を転写されたHIV自身のRNA上にリクルートすることによるものである. この過程を詳細に検討することでHIVの複製を転写レベルで抑制できる可能性がある. 一方P-TEFbが細胞内においてリミティングファクターとなる場合, 感染細胞, 例えば抗原提示細胞 (antigen-presenting cells: APC) におけるHIVの複製は細胞側の転写産物の産生量に直接影響を及ぼすことになる. 本研究においてAPCの抗原提示機能の抑制は, このようなメカニズムによるものであることを明らかにした. またこの現象は可逆的で, 例えばIFN-γ処理により感染細胞の抗原提示能を上げることで, HIVの複製 (増殖) を阻害できることが明らかとなった.
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