日本エイズ学会誌
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エイズ拠点病院におけるHIV/AIDSの受療者数の推移
川戸 美由紀橋本 修二山口 拓洋松山 裕中村 好一木村 博和市川 誠一木原 正博白阪 琢磨
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2004 年 6 巻 1 号 p. 31-36

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抄録
目的: 全国のブロック拠点病院・拠点病院におけるHIV/AIDS受療者数とその施設間差の推移について検討した。
対象および方法: 全国のブロック拠点病院・拠点病院を対象として2001年および2002年に郵送法の調査を実施し, 各年4月1日現在の, 国籍別, HIV・AIDS別の受療者数 (経過観察中を含む) を調べた。両年とも調査票が回収された施設でのHIV/AIDS受療者数 (血液製剤による感染を除く) について両年を比較した。
結果: 両年とも回収された施設は314 (86%) であった。HIV/AIDS受療者数は2001年に2,976人, 2002年には3,991人であり, 2001年の1.34倍であった。HIV感染者・AIDS患者別ではそれぞれ1.36倍, 1.31倍であり, 日本国籍では1.36倍, 外国国籍では1.21倍であった。東京では1.22倍, 関東・甲信越 (東京を除く) では1.35倍であり, その他の地域ブロックでは1.33倍-1.91倍であった。両年とも受療者数が0人の施設が多く, 一方50人以上の施設もみられた。また, 2001年受療者数が多い施設ほど平均増加受療者数は大きかった。
結論: HIV/AIDS受療者数は2001年から2002年で1.34倍と増加し, その増加程度は国籍や地域ブロックで異なった。受療者数の施設間差は大きく, また拡大傾向であった。
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