日本エイズ学会誌
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保健所におけるHIV抗体検査の頻回受検者の特性に関する研究
北川 信一郎木原 雅子田原 紀子土井 渉木原 正博
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2005 年 7 巻 1 号 p. 49-53

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抄録

目的: 保健所に来所するHIV抗体検査の頻回受検者の特性を把握する.
対象および方法: 平成14年4月-平成16年3月に, 京都市内のA保健所にHIV抗体検査を受けるために来所した者 (受検者) を対象に, 自記式の質問票を配布した.
結果: 受検者242人に質問票を配布し, 214人より回答を得た (回収率88.4%). 過去のHIV抗体検査の受検回数は, 初回が154人 (72.0%) と最も多く, 2回目41人 (19.2%), 3回目15人 (7.0%), 4回目3人 (1.4%), 10回目1人 (0.5%) であった. 頻回受検者 (受検回数≧2) では, 男性の割合が有意に高く, 年齢も有意に高かった. 性行動は, 頻回受検者では, コンドームの使用頻度が有意に高かった. また, ロジスティック回帰分析をおこなったところ, 頻回受検要因としては, 年齢が30歳以上であること, コンドームの使用頻度が高いことが有意な関連を示した.
結論: 頻回受検者は, 初回受検者と, 属性, 性行動に異なる傾向があることがわかった. 保健所における検査事業の充実を図る上でも, 今後, そのような傾向の意味と背景要因についてさらに詳しい検討が求められる

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