抄録
光の干渉、回折、分散から生じる気象現象に虹やハロ等がある。CG分野においても、これらの気象現象に関する表示手法の開発が行われている。幾何光学だけでなく、波動光学を考慮し虹現象を考えると、水滴の半径によって虹の幅や色が変わる現象や水滴からの出射光の干渉によって主虹の内側や、副虹の外側に生じる過剰虹を説明することができる。本論文では、波動光学に基づいて水滴からの光の出射角を計算し、出射光の強度をエアリーの虹積分から波長ごとに計算することにより、水滴の半径によって変化する主虹と副虹、そして過剰虹のレンダリングを行う手法を提案する。