抄録
ファイバースコープを用いた内視鏡は,従来のCCDカメラを先端に取り付ける内視鏡と比べ,撮影部分を細径化でき,撮影したい箇所に沿って柔軟に曲げながら撮影することができる.そのため,診断や手術支援に新たな可能性を開拓するものとして期待されている.特に,血管内などを撮影したい場合,極細径ファイバースコープの利用が求められる.しかしながら,光ファイバーはそれぞれ一つの色情報しか示さないため,ファイバースコープによる取得画像の色情報は,ファイバーの本数に依存するため,ファイバーの本数が少ないほど,多くの色情報を欠損する.また,色情報の伝達に関与しないファイバーのクラッドにより,蜂の巣像のノイズが発生し,画質を著しく劣化させる.本研究では,数千本程の限定された極細径ファイバースコープによる取得画像の高解像度化を目的とした超解像技術の手段について検討する.