抄録
外観検査では、検査対象の表面を高精細・高解像度カメラを用いて撮影することで、小さいキズや汚れなどを確認することができる。トンネルや部屋、水道管、大腸など、内周面の外観検査が必要になる場合は、360度カメラが活用されている。一度に全方向を撮影することができ、撮影画像を補正することで内周面の状態を確認することができる。これまで、360度カメラを用いた外観検査では、検査者自身が補正された全天球画像を目視確認をすることで異常箇所を特定していた。全天球画像は、情報量が多いため目視検査に時間を要する。本研究では、ResNetやEfficientNetなどの学習済み画像分類ネットワークから得られる特徴量を利用して、外観検査を自動化するPatchCoreという手法を全天球画像に適用することで、検査時間の短縮を図り、全天球画像を用いた外観検査の自動化手法について検討を行う。当該手法の効果を検証するために、3DCGで作成した仮想環境を利用して、生成した学習および検証データを用いて当該手法の判別精度の検証を行った。その結果として異常箇所を目視検査で行うよりも効率的に検証できる。