本研究は一般市販の木材がどの程度の元彎曲を有するかを検討し、併せてそれ等が木柱として設計荷重下でどの程度の坐屈強度低下と彎曲を示すかを求めたものである。先に発表した「材端に拘束をもつ木柱単一柱の圧縮試験」において報告した様に、木造柱は相当な元彎曲を有していて、載荷と同時に彎曲を始める事が判つた。この事は坐屈強度の低下を招き、又彎曲のための使用上の支障を生ずる可能性を示すものである。又これは木造組立柱の強度に対し、根底的に影響を与えていると考えられる重要事項である。よって市販長柱の元彎曲を実験的に求め、これより計算的並に実験的に強度低下並にその変形量を出した。