抄録
本研究は,企業農業経営における様々なリスクと情報のマネジメントの実態と,人材育成との関連性を解明することを目的とする.具体的には,様々なリスクに対処するために市販ソフト等を活用すると共に情報管理システムを独自開発運用している大規模露地野菜経営を事例とした詳細な分析を実施した.その結果,「戦略マネジメント」,「戦術マネジメント」,「作業実施」といったマネジメントの3次元を踏まえつつ,膨大な情報の中から農業経営内で発生する様々なリスクに対して,より効果的な情報をマネジメントすることで,リスクを構成する要因が明確になり,それらを共有することが人材育成にも繋がってくることを明らかにした.これらのリスクと情報のマネジメントの関連性は,農場内で起こる様々なリスクをマネジメントするための情報のマネジメントの考え方や手法,更に人材育成への利用法等,今後の情報マネジメントや経営管理研究に対し,多くの示唆を与えるものである.また,実際の経営実務や農業支援に向けたシステム開発等にも役に立つと考えられる.