農業情報研究
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青森県上十三広域地域に構築された農業情報ネットワークシステムの利用
皆川 秀夫安田 仁美市川 慶介木村 優一長谷川 久一
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1999 年 8 巻 1 号 p. 25-31

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抄録
青森県の南東部は,稲作・畑作・畜産のいずれも盛んな,日本有数の食糧生産地帯である.しかし当地は,春から夏にかけてオホーツク海高気圧の張出しによって発生する冷涼多湿な気流,ヤマセの常襲地帯としても知られ,平均すると5~6年に1度の割合で農作物の冷害を経験してきた.1993年にこの地方は稲作の作況指数が1の空前の大凶作となり人々に強い衝撃を与えた.
このようなヤマセの定期的常襲地帯にあり,ヤマセを克服する農業,あるいは逆にヤマセを生かした農業を目指す気運が高まった結果,1994年に十和田市,三沢市,上北郡の13市町村13農協が中心となり(社)青森県上十三広域農業振興会を組織,3年かけて「青森県上十三広域農業情報ネットワークシステム」を構築した.そして気象情報や市況情報をはじめ,各種農業情報を4,400戸の農家に配信し,営農活動を支援している.
本研究では,このネットワークシステムの利用情況を調査するとともに,その中核となる上十三地域内に設置した自動気象観測装置(アメダス)24基と気象庁アメダス4基の計28ヶ所の気象データを活用し,同地域の1km2メッシュ気候図を作成し,当地域の気候資源を評価するとともに,未観測地点の気象を予測し,営農活動に資した.
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© 1999 農業情報学会
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