徳沢周辺の堆積岩山地においては,横断形が非対称な山稜が見られる.これらの地形は,一般に受け盤・流れ盤におけるマスムーブメント様式の違いを反映していると考えられている.しかし,これまで三次元的な形態を持つ斜面を捉えるのに有効な地形分類は,山地斜面ではあまり行われてこなかった.そのため,斜面形態と地形形成プロセスの関係についてあまりわかっていない.本研究では,非対称な形態を呈する徳沢の山地斜面の地形分類を行い,また尾根線・谷線の縦断形を計測し,それらの地形的特徴に基づいて地形形成プロセスを明らかにした.