本研究は、ドイツにおける農村の質的変化の実態とその農村地域に与えるプラスの影響を、「ルーラル・ジェントリフィケーション」として把握することを試みた。ドイツ農村においては、郊外化、農村地域への移住が多様なかたちで進展しているが、都市域への近接性が高く、かつ魅力的な農村景観が存在する地域において、都市域からの移住がホワイトカラー層を中心として生じている。彼らの存在が、農村地域における財・サービスの提供の質・量の維持につながっていると同時に、彼らが、「まちづくり」などに積極的に関わることで、農村行政にも影響を与えていることが明らかとなった。