日本地理学会発表要旨集
2009年度日本地理学会秋季学術大会
セッションID: P921
会議情報

デジタルカメラによる雲仙の火砕流堆積地の侵食量評価
*黒木 貴一磯 望後藤 健介
著者情報
会議録・要旨集 フリー

詳細
抄録
 近年,火山・地震活動による広い範囲の地形変化は,空中写真や航空機レーザーによる測量やSARデータの干渉法により高精度で容易に把握できるようになった。一方,斜面崩壊などの狭い範囲の土砂移動や侵食による地形変化は,礫にペンキを塗布する方法,岩の形状を隔年で詳細計測する方法,流出土砂を貯砂施設でトラップする方法など細かな作業を要する。したがって,地形変化量が微妙なほど,計測には時間と手間がかかる。そこで本研究では雲仙火山の火砕流堆積地を対象に,デジタルカメラで撮影した2時期の画像の変化を解析し,狭い範囲の地形変化域及び量を簡便に把握する手法を検討した。
 検討の結果,1)デジタルカメラによる撮影画像から地形判読,地形変化場所の特定,侵食深の計測,概略の侵食量評価ができること,2)10m四方の実験範囲に高位よりI面,II面,III面を区分し,その区分を元に細粒堆積物比と侵食深を区分しやすいこと,3)実験範囲全体の観察期間における侵食量は0.373m3で平均侵食深は3.73mmだったこと,が分かった。
著者関連情報
© 2009 公益社団法人 日本地理学会
前の記事 次の記事
feedback
Top