抄録
香川県西部・三豊地域中部には財田川と柞田川が流れ、観音寺市街地付近で瀬戸内海・燧灘に注ぐ。平成16年の台風による水災害は、多くの河川流域で集中豪雨と土石流、氾濫をもたらすとともに、数次にわたって高潮災害を伴う複合災害であった。当地でも中小河川における氾濫と高潮の被災を受けて、大きな混乱を生じた。 本報告では、1年間に集中して大きな被害をもたらした平成16年の風水害と避難とのかかわりを述べる。我が国で最も面積の狭小な香川県ですら、その東西では被災の様相が全く異なっていた。とくに、台風に係わる水災害では、その被災区域と、地形環境との関係が深い。本報告では、国土地理院所蔵の5mメッシュDEMから地盤高デジタルマップを作成すると共に微地形との関わりを検討する。また、市街地と中上流部での被災の差異、地域の人々が水害の教訓をどのように認識しているかについても報告する。