1991年の経済自由化以降,インドの大都市郊外では,経済成長の中で登場してきた新中間層をターゲットした住宅開発と商業開発が進められている。巨大化するデリーは幹線道路に沿ってさらなる拡大を続け,メガシティを形成している。なかでもデリー南郊に位置するグルガオンはインド国内で最も都市開発の進んだ新興都市のひとつで,さらに南側のマネサールへと拡張都市の形成へと展開している。このような急速な都市化によりデリーの郊外空間は激変しつつある。都市化された農村地域では近代的で西洋風のライフスタイルをもった都市住民が流入し,ゲーテッド・コミュニティを形成している。本研究は,グルガオンの拡張都市としてマスタープランに組み込まれたマネサールを事例として,デリー大都市圏のアーバンフリンジにおける都市開発の状況を明らかにすることを目的とする。